本の紹介 ホーホー村教育研究所



鈴木孝夫『日本語と外国語』(岩波新書 1990初版)

今年1月の北海道「たのしい授業」体験・入門講座の帰り、札幌の丸善に寄ったのですが、そこでとても面白い本を見つけました。鈴木孝夫『日本語と外国語』(岩波新書 1990初版)という本です。「90年代岩波新書ベスト30」ということで、入り口の近くに平積みになっていましたので、ぼくが知らなかっただけで、結構売れている本のようです。
ぼくは、ずーと、「ヒトデ」のことを英語で「スター・フイッシュ」というのが、不思議でした。「ひょっとしたら、『フイッシュ』というのは、日本語「『魚』のことではない。海産動物一般を指すのではないだろうか」と、思ったのです。それで、時々学校にくる、ニュージーランド人のAETの方に聞いたりしたのですが、これはダメでした。日本人に日本語のことを聞いても、そういうことは、わからないのが普通ですから、無理もないことです。ところが、この本は、そのことを論じていのです。

人気本でも、大野晋『日本語練習帳』(岩波新書)なんかは、ぼくに「だから、国語なんて勉強する必要がない」という思いを強くさせてしまった本ですが、この本は違います。ぼくが長年わからなかったことが書いてあるばかりでなく、ぼくが主張していた「ローマ字より漢字の方が、情報量が多い」とか、いろいろなことが書いてあります。一番重要なことは、日本語における漢字の意味です。これは、国語で是非教えるべきことで、こういうことを教えるのが国語の授業だと思います。授業書化も考えたいですが、多くの人たちに是非読んでもらいたいと思い紹介した次第です。 2000.1.13

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