冥王星を見て来ました
 冥王星は、とても暗い天体です。なにせ、6q先の2mmの砂粒をサーチライト(=太陽。このスケールでは、太陽は直径1.4mの球になります)で照らして、それをこちらから見るようなものですから、点のように見えるだけでも、かなり大きな天体望遠鏡が必要です。
 網走管内で一番の口径を誇る北陽小学校にの天文台(口径40cm)で探してみましたが、‘見えると言えば、見えるかな?’と言う程度でした。それでも、<海王星以遠天体の代表に格上げになった冥王星を1度は、はっきりと見てみたい>とぼくは、ずっと思ってきました。
 この日は、雲一つなく天の川がまるで雲のように見える素晴らしい天気。<日本屈指の大口径を誇る銀河の森天文台(口径115cm)で、冥王星を見たい>と出かけました。
 たくさんお客さんがいて少し気がひけたのですが、冥王星をリクエストして、見せてもらいました。ちょうど今、冥王星は、天の川の方向に見えますから、星の数がとても多い場所に見えています。これだけの天体望遠鏡でも、冥王星は点のようにしか見えません。冥王星と同じように見える星(惑星でなくて恒星)は、たくさんあります。ですから、見ただけで「これが冥王星だ」とわかるわけではありません。冥王星かどうかを確かめるには、<数日後にまた観測して位置が少しずれて見えるかどうか>を見なくてなlりません。しかし、そうたびたび見に行くことも出来ませんから、天文ソフト the skyでその日の冥王星の位置をプリントした図版を持って行きました。そのプリントの位置にある14等星の星、それが冥王星なはずです。
 「これが冥王星です」と、教えられた星を確認したのですが、「う〜ん、どうかな?」ちょっと怪しい。図版と星の位置が微妙にずれでいるのです。
 諦めようかと思いましたが、閉館間際に他のお客さんがいなくなったので、もう一度リクエストをしてじっくり見せてもらいました。


 しばらく見て、やっと分かりました。銀河の森の天体望遠鏡は、鏡を使って何度か反射させ、お客さんに見やすいようにしています。そのために左右が反対の像になっていたのです。
 そのつもりで見ると、持って行った図版とも一致。この星が間違いなく冥王星であることが確認できました。

 
左の図は、それらを思い出して、左右裏返しの図を描いてみました。

 さすがに(口径115cm)の威力です。14等星近い冥王星がはっきり見えました。でも、口径115cmでもなかり暗い。望遠鏡の視野の中でも、かなり暗い星でした。冥王星の遠さと、小ささを感じることができました。

 この時は、ちょうど、天王星、海王星も出ていて、見せてもらいました。
 天王星は、少し緑ががった青色の円盤状に見えました。海王星の方もどうにか円盤状であることはわりますが、ちょっと他の星より、大きい程度で、少し青みがかっているかな? という感じでした。でも、明るさ的には、余裕があって、望遠鏡の視野の中に見える星の中では、一番明るい天体として見えました。


 
帰ってから、ほぼ20等星までの星が写っている写真をWeb上に公開しているThe STScI Digitized Sky Surveyでイメージを確認しましたが、そこには、該当の星像がなく(冥王星は、動いているので昔写した写真には、その位置に無い)間違いなく冥王星であることが確認できました。 (2008.8.5)
The STScI Digitized Sky Surveyの使い方


詳しい冥王星についての解説

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