流星            
 
あなたは、流れ星を見たことがありますか? 「流れ星の飛んでいる間に願い事を言うと、その願いがかなう」などとも言われていますが、流れ星が飛ぶ時間は、とても短くて、大抵は1秒もありません。けれども、時には、「火玉」(かきゅう)といって、すばらしく明るく、数秒間も見えているものもあります。でも、このような「火玉」がとんだ時は、それに見とれて、なかなか願い事をいえないものです。
 流れ星がたくさん飛ぶと、夜空の星がどんどん少なくなってしまうと心配する人がいますが、そんな心配は、いりません。夜空に星座などを作っている星(恒星),1つひとつが,地球の109倍の直径をもつ太陽と同じか,それよりも,もっと,もっと大きな天体なのです。これらの星は,高い温度で燃えているのですが,とても、とても,とーても,遠くにあるので、あんなに小さく光っているのです。

 ところが、流星の元となっている天体は、直径が1p〜0.1p、重さは、1g〜0.001gというような微細な天体です。夜空に見える星と,流太陽系の中を飛んでいる,星はまったく別のものなのです。ですから,いくら、流れ星が飛んでも、夜空の星が少なくなるという心配は、まったくしなくて良いのです。


 実は,その微細な天体の供給源は、ほとんどが彗星(ほうき星)だということがわかっています。ほうき星がその軌道上にまき散らした微細な天体(流星体)と地球がぶつかった時、流星となります。流星体は、地球の上層大気の原子・分子と衝突し、そのときに、これらの原子に含まれている電子が衝突励起して発光します。よく大気との摩擦で流星体が熱くなって光るように書いているものもありますが、流星は流星体そのものが高熱になって光ってみえるのではありません。粒子が分解した粒子の一部を含んだ高温のプラズマが発光するのです。


この発光現象を「流れ星」というのです。微細な天体と地球との衝突のスピードは、大変速くて、追突状態で秒速11qくらい、正面衝突すると72qくらいにもなります。発光するのは地上110〜80qで、きわめて薄い大気との衝突で燃え上がるのです。

星体の密度は、0.2〜0.3g/p3くらいと言われていまjしたが、最近の研究では、0.8〜1.8g/p3くらいと言われています。でも、実際に流星体を手にとって見た人は,いません。

 流星は、それほど珍しい現象ではなくて、1時間も空の暗いところで見ていると、2〜3個の流れ星は、見られるものです。時には、決まった場所から、放射状に飛びます。これを「流星群」といいます。それは、流れ星(彗星)の軌道に地球がつっこんだ時で、1時間に数十個もの流れ星が飛ぶことがあります。地球の軌道は、何月何日には、どこにいると毎年決まっていますから、毎年決まった日に「流星群」の出現を見ることができます。代表的なものは、ペルセウス流星群で毎年8月13日頃、1時間に60個ほども流れ星が飛びます。また、寒い時期ですが、12月14日頃の「ふたご座流星群」も同じく60個ほどの流れ星が飛びます。

 これらの名前となっている星座名は,流れ星が見かけ上飛んでくる方向の星座名です。

  近年話題をふりまいた「しし座流星群」は,ところどころに流星体の密度の高いところが偏在していて,それと地球とがぶつかり,数十分の間に数万という流れ星が飛んだのです。これを「流星雨」といいます。 流星体の分布を予想することは近年までできなかったのですが,「アッシャー博士の流星体の分布を予測する理論(ダスト・トレイル法」)が,時刻までも,立て続けに当たり,この理論の正しさが証明されました。 



 左の写真は,毎年12月 7日〜12月17日にたくさん飛ぶことで知られる「ふたご座流星群」の写真ですが,この流星の母天体は、フェートン(Phaethon ファエトンとも呼ばれる)という名前の小惑星番号 3200 番の小惑星だと言われています。つまり、ふたご座流星群の流れ星の元になる塵(ダスト)の由来が、この小惑星であることになり、非常に古くには彗星として塵を放出していて、その後彗星活動を停止して小惑星になったとも推測されています。しかし、まだその確証はとれていないのが現状です。 このため、今観測されている流星のもとの塵が放出された時期がわからず、ダスト・トレイルによる流星群の予報などは、まだ行われていません。 」とのことです。





 おうし座を飛ぶふたご座流星群



 

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